イメージの話
~ビザもイメージが大事? 技能実習、特定技能、特定活動~
最近、イメージの重要性を感じます。イメージとは、『心に思い浮かべる像や情景。ある物事についていだく全体的な感じ。心像。形象。印象。また、心の中に思い描くこと。』です。(デジタル大辞泉より)
例えば皆さんは、「外国人労働者」からイメージするものは何でしょうか。「技能実習」と聞いて、どんなイメージをお持ちでしょうか。
イメージは心に思い浮かべることなので、人それぞれ異なります。また、イメージと実体は必ずしもイコールではありません。しかし、大多数の人が持つイメージがある程度共通の場合、そのイメージがそのものであると捉えられてしまうことがあります。イメージの力で実体より大きくみせることもできるし、逆に実体より悪く見られてしまうこともあります。
現在、技能実習制度の見直しが進められています。技能実習については、国内外ともにイメージが非常に悪いと感じます。平成29年11月に技能実習法が施行され、5年が経過しました(正式名:外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)。現在の技能実習は過去の問題点を踏まえ、受入のために日本企業に求めるコンプライアンスは厳しく設定されています。技能実習制度を適正に運用している企業等は、実態とのイメージの乖離を感じていることでしょう。しかし、いまだに奴隷的拘束がなされ、最低賃金にも満たない給料で不当な環境で働かされているというイメージをお持ちの方が一定数いるようです。
【外国人の持つイメージは?】
日本で働く外国人は、前号で取り上げた例外的な方々を除いて、何らかの在留資格(いわゆるビザのことです。以降、ビザといいます)を保有しています。
在留カードには英語併記がされています。訳は
特定技能=Specified Skilled Worker 技能実習=Technical Intern Training
となっています。特定技能の方が、すごいスキルを持っている人の感じがしてカッコいいからこのビザに変えたいと考える技能実習生の外国人もいます。
また、特定活動は告示、告示外を合わせるとおそらく100種類くらいの集合体なので何のビザか分かりづらいです。そのせいか、一部の外国人にはイメージが良くないようです。例えば、出国準備・難民申請審査中に付与されるビザも特定活動(告示外)、高度研究職(告示36号)も特定活動です。
イメージを変えるということは、人の心の中を変えることなので簡単なことではないと思います。
技能実習を廃止して特定技能に一本化するという話もでていますが、イメージだけでの議論にならないことを期待します。